疲れたときに遠くの景色や庭の植物、観葉植物などを眺めると、なぜか心が和みます。これと同じような効果が、デスクの上に置かれたちょっとした緑にもあります。
ここからは、デスク緑化のメリットについて説明します。
オフィス内に植物が置かれていると目に優しく、リラックスした気持ちになれます。また空間がオシャレになって居心地が良くなり、生産性向上や企業のイメージ向上を期待することもできます。
このようにオフィス空間に植物を取り入れることをオフィス緑化(オフィスグリーン)と呼びます。
オフィス緑化には、デスク緑化や壁面緑化、グリーンカーテンなど多くの種類がありますが、中でも最も簡単に取り入れられるのが「デスク緑化」です。
デスク緑化とは、その名の通り、社員が直接触れる機会が多い執務室のデスクや会議室のテーブルの上に観葉植物などの緑を置く方法のことです。
今回はデスク緑化がもたらす具体的な効果、デスク緑化に適した植物の選び方について解説していきます。
疲れたときに遠くの景色や庭の植物、観葉植物などを眺めると、なぜか心が和みます。これと同じような効果が、デスクの上に置かれたちょっとした緑にもあります。
ここからは、デスク緑化のメリットについて説明します。
緑化は積極的取り入れたいところですが、壁面緑化やオフィス内に大きな観葉植物を置く場合は、その規模に応じた初期費用・メンテナンス費用がかかります。それに比べて、机の上に観葉植物などを置くだけのデスク緑化は、費用も安く手軽に導入できます。
多くの人が「植物の緑で癒やされた」という経験があると思います。
それは、人間は本来、自然の生きものであるため、自然の緑を見ることで落ち着きを感じるからです。また緑色の波長は人の目に優しく、緑色には不安や抑うつ感を軽減し、精神を安定させるとされています。実際に、緑を見ることで、体の機能を活発化させる交感神経の働きが抑制されるという効果が報告されています。
心がリラックスすると人は安心して開放的になり、自然と会話をしようとする気持ちが生まれやすくなります。
これまで説明してきたように、緑には人をリラックスさせ、心身を穏やかにする効果があります。つまり、オフィス内を緑化してリラックス空間を演出することで、社員の心は本当にリラックスして笑顔や会話が増え、コミュニケーションが取りやすくなるのです。
緑を見ることで、自律神経の一つである交感神経の働きが抑制されて副交感神経が優位になり、脳内のα派が増加することが報告されています。副交感神経は主に休息しているときに働く自律神経で、血圧や心拍数を低減させたり、筋肉を弛緩させたりします。α派が増加し副交感神経が優位になると、心身は休息中のリラックスした状態となるため、ストレスの軽減が期待できます。
緑色はコントラストが低く、視覚的な刺激が少ない色です。また、緑色の波長は可視光線の真ん中あたりの中波長になります。長い波長や短い波長に比べ、目にあまり負担をかけずに知覚することができ、目に優しいとされています。
オフィスワークで蓄積した視覚的疲労を軽減するためにも、緑を多く配置することは有効だと言えるでしょう。
デスク緑化はさまざまな良い効果をもたらしますが、どのような植物が適しているのでしょうか?
デスク緑化の場合、デスク上のスペースが限られているのでコンパクトな植物が適しています。また、植物の手入れも必要なため、あまり手のかからない育てやすい植物が推奨されます。
実は、グリーンであれば生木の観葉植物だけでなく、本物そっくりに作られた「フェイクグリーン」でもリラックス効果などを期待できます。
フェイクグリーンはメンテナンスがほとんどいらず、ディスプレイも自由自在です。また、病害虫の心配もないことから、積極的にフェイクグリーンを選ぶ企業もあります。
ここからは生木とフェイクグリーンを使う場合について、その違いを紹介します。
生木の観葉植物を使う場合は、水やり・日当たりの管理、剪定などの手間が必要で、人によってはアレルギーにも注意しなければなりません。
しかし生木の植物は光合成を行いながら二酸化炭素を吸収して酸素を放出するため、空気を浄化してくれます。さらに葉から水分を蒸散させ、室内の湿度を調節する働きもあります。
また、メンテナンスに手間がかかる反面、成長していく姿や季節ごとの変化を楽しめるのは生木の観葉植物ならではと言えるでしょう。
人工植物のフェイクグリーンは水やりなどが不要なため、世話に手間を割くことなく長期休暇中も安心です。
日光も不要なため、オフィスの奥まったところや地下にも設置できます。また土も使わないので衛生的で軽く、高所や壁など、どんな場所も設置可能です。さらに、フェイクであるため枯れることがなく、長く使用することができます。
近年は環境に配慮した再生素材からなるフェイクグリーンも存在します。このようにフェイクグリーンは単なる代用品の枠を超え、企業のエコでサステナブルなイメージをアピールできる存在となってきました。
デスク緑化は、デスクの上であれば場所を選ばず緑を取り入れられるオフィス環境改善策です。社員自身が好きな植物を選ぶことで、デスクを自分だけの空間として装飾できます。
小さな観葉植物であれば、生木でもフェイクでも手軽に導入でき、大規模なオフィス緑化に比べて初期費用も安く抑えることができます。
これからオフィス緑化を導入しようと考えている企業の方は、まず手軽なデスク緑化からスタートしてはいかがでしょうか?
舛田 羊一
大手家具メーカーで家具の設計、国内上場企業のオフィスプランナーとして勤務。その後、2015年に現研究所を設立し、国内外のミュージアムプロデューサーやライブラリーなどの空間プロデューサー兼デザイナーとして活動中。
春うららかな書房では、空間プロデューサーとしてオフィス空間のトータルプロデュースを行っている。
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