オフィスに置く最適な観葉植物のご紹介


 

昔は企業のオフィスといえば単に「働く場所」というイメージが主流でしたが、近年は働き方が多様化し、また居心地のよさが業務効率アップにつながるという知見が広まったことなども手伝って、企業側の意識も変化してきました。

その一環として手軽に環境を改善できるオフィスグリーン(オフィスの緑化)を導入する企業が増え、注目が集まっています。オフィス内に設置する観葉植物は、おしゃれなだけでなく、空気をきれいにしたり、気持ちをリラックスさせたりする効果があります。

とはいえグリーンなら何でも良いというわけではなく、メンテナンスの容易さ、日照不足への耐性など「オフィスに置く観葉植物」として求められる条件がいくつかあります。

この記事では、オフィスに最適な観葉植物の選び方やおすすめの種類について詳しく説明します。

卓上グリーンとパソコン作業の風景

オススメの観葉植物の紹介

オフィスに観葉植物を設置する際には、そのサイズや種類によって適切な配置場所が異なります。

ここでは小型・中型・大型の観葉植物をサイズ別に紹介し、それぞれの特徴や最適な配置場所について詳しく説明します。

アートグリーン

小型観葉植物

50cm未満の小型観葉植物は、デスクや窓辺に置くのにぴったりです。

小型の植物はコンパクトで手入れが簡単なため、忙しいオフィスでも手軽に導入できます。たとえば「サンスベリア」や「ポトス」は、日光が少なくても育ちやすい特性があります。

サンスベリアは乾燥に強く、ポトスは吊り下げることもできるため、デスク周りや窓辺、棚の上などに置くと良いでしょう。これらの植物は空気をきれいにしてくれますし、省スペースで業務の邪魔になりません。

中型観葉植物

50cm以上の中型観葉植物は、オフィスの隅や会議室に置くと良いでしょう。

たとえば「ドラセナ」や「モンステラ」は、適度なサイズ感で存在感があります。

ドラセナは耐陰性があり、オフィスの薄暗い場所でも育ちやすい特性を持っています。一方、モンステラは独特の葉の形がインテリアとしても人気で、会議室やオフィスのエントランスに設置すると映えます。

大型観葉植物

120cm以上の大型観葉植物は、オフィスのエントランスや広いスペースに最適です。

たとえば「フィカス・ベンジャミン」や「カシワバゴムノキ」は、大型で強いインパクトを与えます。

フィカス・ベンジャミンは、小さな葉がたくさんついているので、見た目がとても華やかです。適度な湿度と明るい場所を好みますが、直射日光を避ける必要があります。カシワバゴムノキは、大きな楕円形の葉が特徴で存在感があります。この植物は耐陰性があり、室内でも元気に育ちます。

大型観葉植物は、エントランスに限らずオフィスの広いスペースに配置することで、豪華で洗練された雰囲気を作り出してくれます。

オフィスに観葉植物を置くことで期待できる効果

ここでは、オフィスに観葉植物を置くメリットについて紹介します。

まず、観葉植物は空気をきれいにする力があります。植物は光合成を通じて二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するだけでなく、空気中の有害物質を取り除く効果もあります。

たとえば、サンスベリアやポトスといった植物は、ホルムアルデヒドやベンゼンなどの有害物質を吸収する能力があることが知られています。

観葉植物は人間の精神的なストレス軽減にも役立ちます。研究によれば、植物を見たり触れたりすることで、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが低下する効果が示されています。

つまり観葉植物がオフィスにあることで、仕事に対するモチベーションや集中力が向上し、業務効率の改善が見込まれる可能性があるということです。

以上のように、観葉植物はオフィス環境に多くのメリットをもたらします。ぜひオフィスに観葉植物を取り入れてみてください。

オフィスに置く盆栽のようなグリーン

オフィスに置く観葉植物の選び方

オフィスに観葉植物を置く際には、枯らさずに長く楽しむためにいくつかのポイントを考慮する必要があります。

オフィスでは一般的にエアコンが効いており、自然光が少ない場所が多いため、その環境に適した植物を選ぶことが大切です。

まず、オフィスでは日陰でも元気に育つ植物を選びましょう。サンスベリアやアグラオネマは耐陰性が高く、少ない光でも育ちやすい植物です。

オフィスではエアコンの使用によって空気が乾燥しがちです。そのため、乾燥に強い植物を選ぶことも重要です。ポトスやサボテンは水やりの頻度が少なくても維持できるため、忙しいオフィス環境に最適です。

さらに、冬場の寒さにも耐えられる植物を選びましょう。たとえば、シェフレラやドラセナは温度変化に強く、季節を問わず安定して育てることができます。

これらの基本的なポイントをしっかり理解した上で観葉植物を選び、オフィスにグリーンの癒しを取り入れましょう。

オフィスに置く観葉植物の種類

観葉植物をオフィスに置く場合の注意点

オフィスに観葉植物を置く際には、いくつか注意することがあります。

まず、植物の世話を誰が行うかを明確にしましょう。植物は定期的な水やりや葉の掃除が欠かせないため、責任を持って管理する担当者を決めることが必要です。

また、植物によっては虫が発生することがあります。特にオフィスのような閉鎖的な環境では、虫の発生は衛生面での大きな問題になります。定期的に植物の状態をチェックするよう心がけてください。

さらに、植物が成長すると配置場所を見直す必要が出てくることもあります。成長によるサイズの変化を考慮した計画を立てることが大切です。

女性が紹介する オフィスに置く最適な観葉植物

オフィスに置く観葉植物ではフェイクグリーンもおすすめ

忙しいオフィスでは、手入れの必要がない人工の観葉植物・フェイクグリーンもおすすめです。

フェイクグリーンは選び方や置き場所を気にせず、手軽に取り入れることができるのが魅力です。日光や水やりを必要としないため、オフィスのどんな場所にも置くことができます。

虫が発生する心配もなく、常にきれいな状態を保てます。観葉植物の管理が難しい場合には、フェイクグリーンを選ぶと良いでしょう。

現在はフェイクグリーンにも多種多様なデザインが登場しており、オフィスのインテリアに合わせて選ぶことができます。小型のフェイクグリーンから大型のフェイクツリーまで、さまざまなサイズやスタイルが揃っているため、どんなオフィス環境にもフィットするでしょう。

一方で、生きた観葉植物のように二酸化炭素の吸収効果はなく、また育てる楽しさ、成長していく姿を眺めるワクワク感がないというデメリットも存在します。

これらのメリットとデメリットをふまえ、自社のオフィス環境に適していればフェイクグリーンも有効な選択肢となるでしょう。

小さなアートグリーン

まとめ

観葉植物にはおしゃれな見た目だけでなく、空気の清浄化やリラックス効果も期待できます。適切に配置することによって働く人たちのメンタルヘルス向上に貢献し、業務効率アップなども見込めます。

生きている観葉植物は設置や世話が難しい場合もありますが、そのようなときはフェイクグリーンを使うのも有効な選択肢です。

本記事を参考にオフィスに合った観葉植物を選び、自然の癒しを取り入れることで、もっと快適で働きやすい職場を作りましょう。

卓上グリーンとパソコン

監修

舛田 羊一

舛田 羊一

  • 舛田建築design研究所CEO
  • 春うららかな書房 家具事業部 部長
  • 一級建築士、環境経営士、宅地建物取引士

大手家具メーカーで家具の設計、国内上場企業のオフィスプランナーとして勤務。その後、2015年に現研究所を設立し、国内外のミュージアムプロデューサーやライブラリーなどの空間プロデューサー兼デザイナーとして活動中。
春うららかな書房では、空間プロデューサーとしてオフィス空間のトータルプロデュースを行っている。

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