オフィス環境をより良くするための取り組みとして、オフィスグリーン(緑化)が近年注目されています。オフィスグリーンとは、オフィス内に観葉植物や緑の空間を設けることを指し、従業員の生産性向上やストレス軽減に寄与することが知られています。
この記事では、オフィスグリーンの具体的な効果や導入時のポイント、活用事例などを詳しく解説します。
オフィス環境をより良くするための取り組みとして、オフィスグリーン(緑化)が近年注目されています。オフィスグリーンとは、オフィス内に観葉植物や緑の空間を設けることを指し、従業員の生産性向上やストレス軽減に寄与することが知られています。
この記事では、オフィスグリーンの具体的な効果や導入時のポイント、活用事例などを詳しく解説します。
オフィスにグリーンを取り入れることで、さまざまな効果が期待できます。ここでは、主な効果について詳しく説明します。
観葉植物には、空気中の有害な物質を吸収して浄化する働きがあります。植物は二酸化炭素を吸収して酸素を放出するだけでなく、ホルムアルデヒドやベンゼンなどの有害物質も除去する能力を持っています。これによりオフィス内の空気質が改善され、健康的な環境が保たれます。
特に都市部のオフィスでは、外気汚染や室内の換気不足による空気の質の低下が気になるところです。植物の自然な浄化作用は従業員の健康維持に貢献し、業務効率のアップにもつながるでしょう。
観葉植物は視覚的な快適さを提供するだけでなく、空気中の有害な物質を浄化することで、目の疲労を軽減する効果もあります。
特に、長時間パソコンを使用するオフィスワーカーにとって、目の負担を減らすことは重要です。植物が発する自然の色彩や形状は目の疲れを和らげ、視覚的なリラックス効果をもたらしてくれます。
緑の植物がもたらす自然の美しさは空間を活気づけ、心地よい環境を作り出します。従業員の精神的な満足感も高まり、ポジティブな効果を生むことができます。
また、植物は視覚的なアクセントとしても機能します。デスク周りや休憩スペースに配置された植物は単調なオフィス空間に変化を与え、働く意欲を高めます。
オフィスにグリーンを取り入れる際には、いくつかのポイントを押さえることが重要です。ここでは、その具体的なポイントを紹介します。
オフィスの雰囲気に合わせて植物を選ぶことが大切です。オフィスのデザインやカラーに調和する植物を選ぶことで、バランスが取れた空間を作り出せます。植物の大きさや種類も、全体のレイアウトに合わせることが推奨されます。
たとえばモダンなデザインのオフィスには、シンプルで洗練された観葉植物が適しています。一方、暖かみのあるデザインのオフィスには、柔らかな葉を持つ植物が適しています。
このように植物を適切に選ぶことでオフィス全体の雰囲気が統一され、働く環境がより快適になるでしょう。
植物を配置する際には、動線の妨げにならないように注意が必要です。通路やデスク周りのスペースを考慮し、邪魔にならない場所に植物を置くことで、快適な動線を保つことができます。特に大型の植物は配置場所を慎重に選んでください。
たとえばエントランスや会議室のコーナーに配置することで、通行の妨げにならず、視覚的なアクセントを加えることができます。また、デスクの間仕切りとして植物を配置することで、プライバシーを保ちつつ自然な仕切りとして機能させることもできます。
オフィスに設置する観葉植物は、管理が容易なものを選ぶと良いでしょう。手がかからず耐久性のある植物を選ぶことで、日常のメンテナンスが楽になります。たとえばサンセベリアやポトスなどは、耐陰性があり水やりの頻度も少なくて済むため、オフィスグリーンに適しています。
自動灌漑システムを導入することで、水やりの手間を省くことができます。さらに定期的なチェックリストを作成し、植物の状態を確認することで、長期間にわたり美しいグリーンを維持できるでしょう。
オフィスグリーンの導入に際して自社での検討が難しい場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。グリーンコーディネーターやインテリアデザイナーに相談することで、最適な植物の選定や配置方法についてアドバイスを受けることができます。
専門家は、オフィスのレイアウトや照明条件に応じた植物の選定をサポートします。また、植物の健康管理やメンテナンス方法についても、プロフェッショナルな知識と経験を提供してくれます。
植物は生きているため、定期的なメンテナンスが必要です。水やり、葉の掃除、病害虫のチェックなど、日常的なケアを怠らないようにしましょう。大規模なオフィスでは専門のスタッフを配置するか、植物管理の専門業者に依頼するのも良い選択です。
植物には季節ごとのケアが必要です。たとえば、冬季は室内の乾燥を防ぐために加湿器を併用したり、夏季には水やりの頻度を増やしたりする必要があります。また、季節ごとの気温や湿度に応じて、植物の配置を工夫することも大切です。
季節に応じた適切なケアを行うことで、植物が一年中健康に育つことができます。
植物の健康を維持するためには、病害虫の管理も重要です。定期的に植物の葉や茎をチェックし、異常が見つかったら速やかに対処することが必要です。病害虫が発生した場合は、適切な駆除方法を使用し、植物が再び健康な状態に戻るように努めましょう。
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たとえばアブラムシやハダニなどの害虫は、植物に深刻なダメージを与えることがあります。これらの害虫を発見した場合は、専用の殺虫剤を使用するか、物理的に除去する方法を取ります。植物の健康状態を保つために、栄養バランスの取れた肥料を与えることも重要です。
オフィスグリーンの効果を最大限に引き出すためには、社員全員が植物のケアに関与することが重要です。定期的なワークショップやセミナーを開催し、植物の手入れ方法やその効果について教育することで、社員の意識向上を図ることができます。
社員が植物の世話に参加できるプロジェクトを導入すると、職場全体の連帯感が高まります。たとえば、チームごとに担当の植物を持たせることで、チームビルディングの一環としても利用できます。社員が植物の成長を見守ってケアをすることは、仕事の合間にリフレッシュする機会にもつながるでしょう。
IoT技術の進化により、植物の管理もますます効率的になっています。センサーを利用して植物の水分状態や光量をリアルタイムでモニタリングし、自動的に灌漑するシステムなどが登場しています。これにより植物の健康状態を常に最適に保ち、オフィスのグリーン化をさらに推進することが可能です。
たとえば、スマートプランターは土壌の湿度や温度を測定し、必要に応じて自動的に水やりを行います。スマートフォンアプリと連携して、植物の状態を遠隔で確認できるため、オフィスの管理者は効率的に植物の世話を行うことができます。
持続可能な社会を目指す上で、オフィスグリーンは環境保全にも寄与します。植物が二酸化炭素を吸収して酸素を放出することで、オフィスのカーボンフットプリントを削減する効果があります。
また、リサイクル素材のプランターや持続可能な方法で栽培された植物を選ぶことで、環境負荷をさらに低減することができます。
たとえばリサイクルプラスチックから作られたプランターや、持続可能な農法で栽培された観葉植物がこれに該当します。さらに植物の廃棄物を堆肥として再利用することで、資源の循環利用を促進し、持続可能なオフィス環境を実現できるでしょう。
ここまで述べてきたように、オフィスグリーンは従業員の生産性向上、ストレス軽減、空気の浄化、視覚的な快適さの向上など、さまざまな効果をもたらします。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、計画的な導入と適切なメンテナンスが欠かせません。オフィスの雰囲気に合わせた植物の選定や配置、専門家の助言を活用することで、より快適で生産的なオフィス環境を実現しましょう。
オフィスグリーンの導入を検討することで、従業員の健康とウェルビーイングを向上させ、持続可能な社会に貢献する一歩を踏み出してみてください。皆様のオフィスが、緑に囲まれた心地よい空間になることを願っています。
舛田 羊一
大手家具メーカーで家具の設計、国内上場企業のオフィスプランナーとして勤務。その後、2015年に現研究所を設立し、国内外のミュージアムプロデューサーやライブラリーなどの空間プロデューサー兼デザイナーとして活動中。
春うららかな書房では、空間プロデューサーとしてオフィス空間のトータルプロデュースを行っている。
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