オフィス空間をトータルでデザインすることにより、さまざまな効果が期待できます。
中でもオフィスレイアウトや動線、装飾などを設計することは、社員の満足度向上に直結してきます。そして社員の満足度が高まることは、生産性向上やコミュニケーションの活性化、企業イメージ向上などにもつながります。
ここからは、実際に期待できる効果について説明します。
オフィスは社員が毎日多くの時間を過ごす場所です。
オフィスの空間デザインが良ければ、社員のモチベーションが向上し、生産性も高まります。社員のモチベーションが向上すれば良好なコミュニケーション環境がつくられ、会社の雰囲気や印象の改善、さらに会社の業績にもつながってくると考えられます。
今回の記事では、オフィス空間デザインのもたらす効果、エリアごとに適した空間デザインの例などをご紹介します。
空間デザインとは、建物の空間をより快適に過ごしやすくするために行われるデザインです。オフィスだけでなく商業施設や一般住宅など様々な空間が、人々の居心地を良くするためにデザインされています。
居心地を左右するのは、見た目、空間の雰囲気、空間の使いやすさです。そこで空間デザインでは主に照明、家具、装飾などについて、色彩や素材、機能性を考えてトータルでデザインされます。
照明は器具本体のデザインもありますが、明るさや照射方向、色合いも考慮します。家具の場合は本体のデザインや色、素材のほか、機能や家具の配置など、空間全体の使いやすさについても考えます。
このほか壁や床、装飾なども、空間全体の雰囲気や使いやすさに合わせて色や素材などを選びます。
オフィス空間をトータルでデザインすることにより、さまざまな効果が期待できます。
中でもオフィスレイアウトや動線、装飾などを設計することは、社員の満足度向上に直結してきます。そして社員の満足度が高まることは、生産性向上やコミュニケーションの活性化、企業イメージ向上などにもつながります。
ここからは、実際に期待できる効果について説明します。
オフィスの空間をオフィス内動線の最適化や、効率性、快適性を考えた設計にすることで、社員が働きやすい環境になります。これによって社員の満足度やモチベーションが高まり、より良い人材の獲得や定着率の改善も期待できます。
社員が業務を行う空間をより良くすることで、ストレスが軽減されてオフィスで過ごす時間が快適になり、創造性や生産性のアップも期待できます。
企業の生産性向上には、社員間のコミュニケーションが円滑で活発に行われることが重要です。
このようなコミュニケーションは、オフィスのレイアウトや家具の配置を変更し、社員がくつろげる場所や、気軽に話し合う場所をつくることで可能となります。他の部署との往来もレイアウトを変更することでしやすくなり、コミュニケーション活性化に結びつくでしょう。
オフィス空間のデザインでは、各エリアをそれぞれの用途や目的に合わせて最適化し、デザインしていきます。
たとえばエントランスは、企業への第一印象を決定づける「顔」とも言えるエリアであるため、来訪者に好印象を与えるデザインが必要となります。また、会議室では参加する人数に合わせたサイズの会議室や、機材を使いやすい環境を整えることが求められます。
ここからは、オフィスの各エリアを、「エントランス・受付」「ロビー・待合スペース」「会議室・ミーティングルーム」「リフレッシュスペース」の4つに分類し、それぞれのエリアに最適なデザインを紹介していきます。
エントランスや受付は、今後の取引を左右することにもなる重要なエリアです。
来訪者に好印象を与えるには、天井が高く開放感のあるエントランスがいいでしょう。白を基調とした明るい空間とすることで清潔感もあり、企業のイメージアップを図ることができます。
来訪者にリラックス感を与え、環境に配慮していることをアピールするには、グリーンを取り入れた自然な空間にすることをお勧めします。
また、エントランスにアート作品を飾ることで洗練された空間を演出でき、受付カウンターを曲線状にすると柔らかい雰囲気になります。
一方、企業の魅力を伝えるため、エントランスにデジタルサイネージ(タブレットやモニタなどの表示装置)を置き、積極的に情報発信を行っている企業もあります。
ロビーや待合室は、企業のイメージを左右します。近年は来訪者にリラックス感を与えたり、企業の魅力をアピールしたりする場としてデザインされるケースも多くなっています。
適切に空間がデザインされたロビーでは、ソファーやテーブル、温かみのある照明や観葉植物などで居心地の良さが演出されています。また、カフェテリアを併設して活気のある空間をつくったり、キッズスペース設けて子連れの来訪客への配慮をアピールしたりしている企業もあります。
会議室やミーティングルームは、会議や打ち合わせ、プレゼンテーションなど、さまざまな用途に使用されるため、機能性と快適性、企業の規模に適した広さのデザインが求められます。
デザイン例として、壁・天井を暗めの色で統一した集中できる会議室や、逆に壁・天井を白や明るい色で統一し、クリエイティブなアイデアを生み出しやすくした会議室があります。
また、気軽にミーティングができるよう、デスクや椅子を置かずに立ち会議に適した高さのテーブルを設置する企業もあります。
オフィスのリフレッシュスペースは、社員の休憩や気分転換に利用される空間です。 近年ではコミュニケーションを活性化したり、創造性を高めたりできるようデザインされています。
デザイン例としては、自宅のリビングルームのようにくつろげる「リビングライク」が注目されています。ライブラリーコーナーやカフェスペースを設けたり、社員のコミュニケーションが生まれやすいよう、ファミレス型の席やソファー席を設置したりする企業もあります。
オフィスデザインの設計をする際は、セキュリティや安全性を考慮することも忘れてはなりません。
セキュリティ面では、オフィスをセキュリティレベルや利用目的に合わせてゾーン分けすることが有効です。重要情報を扱う部署やサーバー室などの高セキュリティエリアは入り口から離れた場所に配置し、認証システムなどで入退室管理を徹底する必要があります。
逆に、来客スペースや休憩スペースなどの低セキュリティエリアは比較的自由に出入りできるようにして開放感を見せるといいでしょう。
また、火災や地震といった不測の事態での被害を少しでも低減するには、物理的な安全対策も必要です。そのためには避難経路を考慮し、スムーズな移動ができるレイアウトが必要です。滑りにくい床材や耐火・耐震の基準を満たした素材を選ぶことも重要となってきます。
オフィス空間デザインは、企業にとって多くのメリットをもたらす重要な投資です。
快適なオフィス空間は社員のモチベーションを高め、結果的に生産性を向上させます。社員が働きやすい環境はより良いアイデアを生み出し、社員のチームワークをも強化します。
また、来訪者に好印象を与えるオフィス空間は、企業イメージを向上するだけでなく、そこで働く社員にとっての誇りとなり、愛社精神やモチベーション向上にも繋がるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、来訪客と社員の双方にプラスの効果をもたらし、企業の成長にもつながるようなオフィス空間の整備に取り組んでみてください。
舛田 羊一
大手家具メーカーで家具の設計、国内上場企業のオフィスプランナーとして勤務。その後、2015年に現研究所を設立し、国内外のミュージアムプロデューサーやライブラリーなどの空間プロデューサー兼デザイナーとして活動中。
春うららかな書房では、空間プロデューサーとしてオフィス空間のトータルプロデュースを行っている。
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