リアルで本物と見間違えでしまうほどそっくりな、人工の観葉植物があることをご存じでしょうか?
少し前までは、人工の植物といえば日持ちがして腐らない生花を真似た「造花」が主流でした。しかし現在では花以外に注目が集まり、観葉植物を用いた緑に特化した「フェイクグリーン」の需要が拡大しています。
そこで今回は、最新のフェイクグリーン事情や人気になっている理由などを解説していきます。オフィス空間に緑をとり入れたい企業の方は、ぜひ参考にしてください。
リアルで本物と見間違えでしまうほどそっくりな、人工の観葉植物があることをご存じでしょうか?
少し前までは、人工の植物といえば日持ちがして腐らない生花を真似た「造花」が主流でした。しかし現在では花以外に注目が集まり、観葉植物を用いた緑に特化した「フェイクグリーン」の需要が拡大しています。
そこで今回は、最新のフェイクグリーン事情や人気になっている理由などを解説していきます。オフィス空間に緑をとり入れたい企業の方は、ぜひ参考にしてください。
近年、フェイクグリーンを各企業がオフィスや施設、店舗にとり入れるようになったのには理由があります。
以前までは明らかに偽物にしか見えなかったフェイクグリーンも、各メーカーの努力と研究改善により葉の色や光沢感、形や大きさまでよりリアルな造形となり、本物の植物と見間違えるほどに精巧に作られるようになりました。
また、進化したのはフェイクグリーンの見た目だけではありません。光触媒を採用してニオイ・有害物質の除去効果を狙ったもの、リサイクル原料を使ってSDGsに配慮したもの、UV加工によって屋内だけでなく屋外でも使いやすくしたものなど、その技術は着々と発展を続けています。
こうした変化もあり、現在のフェイクグリーンは単なる観葉植物の代替品ではなく、積極的に企業が採用したくなる存在になりつつあると言えるでしょう。
前項ではフェイクグリーンの進化について紹介しましたが、ここではフェイクグリーン本来の長所である、時間や費用面での「コスト」を中心に人気の理由を見ていきましょう。
手入れの手間が少ないことは、企業での導入を考える上で重要なポイントです。フェイクグリーンは作り物の観葉植物なので、水やりなどの世話は必要ありません。また、生きた観葉植物のように成長もしないため、剪定や植え替え、枯れ葉の処理などの手間が発生せず楽に導入できます。
かつて造花が「枯れない花」として重宝されたのと同様、フェイクグリーンも枯れることがありません。環境の変化や温度、湿度、日当たりなどを本物の植物ほど気にする必要はなく、1年を通じて生き生きとした緑の色合いが続きます。
もちろん工業製品なので寿命(耐用年数)は存在しますが、エントランスや応接室に枯れた観葉植物を放置してしまい来客から悪い印象を持たれる、といったリスクは相当減らせるでしょう。
生きた観葉植物ではないため、土や水、肥料などからくる悪臭や、根が腐ったり虫が湧いたりすることもなくとても衛生的です。飲食店や病院といった衛生面を気にする施設にも設置しやすく、壁面や天井から吊るしても枯れ葉・土などが落下してくる心配はありません。
また、特定の植物や花粉に対するアレルギーを持った従業員がいる環境でも、フェイクグリーンなら安心して設置できます。
生きた植物は育てるのには費用と時間がかかります。環境により生育にも影響が出て、最悪枯れてしまうこともあります。
生きた植物の設置となれば、専門のレンタル業者や造園業者への施工依頼が必要となり、壁面への設置の場合、照明の配置や水の循環システム構築など費用は膨れ上がってしまいます。さらに日頃のメンテナンス費用もかかってきます。
フェイクグリーンは導入のハードルが低い上に専門的な手入れが必要ない分ランニングコストも低く、ほこりの除去、色落ちしていないかのチェックなどで日頃のメンテナンスは済みます。
ここでは、フェイクグリーンの種類をいくつか紹介します。
オフィスや店舗のアクセントになる「壁掛け用のフェイクグリーン」は、手軽で簡単に緑化できておすすめです。インテリアとしての側面もあるため、おしゃれな空間演出を楽しめます。緑のある空間では、癒しとくつろぎ効果がストレスを軽減させ、リラックス効果が見込めます。
次に、エントランスやお店の入り口に設置することでシンボリックとなる、大きな「人工樹木」を紹介します。エントランスなど広い空間には巨大なフェイクグリーンを配置して、人目につく印象的な空間を演出できます。また、ショップや店舗などには雰囲気作りだけでなくSNSで話題になるような、いわゆる「映える」スポットを作り出すことも可能です。
休憩室や食堂、渡り廊下などにフェイクグリーンを設置すれば、一面を覆う巨大な壁面緑化が心を癒してくれます。さらに会議室やフリースペースに配置することで、リラックス作用から仕事に好影響を与え、よいアイデアが浮かぶなど業務効率化につながる要素にもなるでしょう。
最後に、フェイクグリーンの実例を紹介します。
オフィスや事務所には、各デスクにフェイクグリーンを設置するなど、目に入る範囲に緑を配置することで生産性向上が期待できます。
また、オフィスを区切ったり目隠ししたりするために、パーテーションをフェイクグリーンにすることも1つのアイデアです。パーテーションは空間の閉塞感をもたらす場合がありますが、ここに緑を配置することでオシャレな空間にもなります。
他にも先述したように、フェイクグリーンに光触媒を加工することで、消臭・抗菌効果が見込める製品も登場しています。おしゃれな見た目、それがもたらす心理的なリラックス効果、最新技術による消臭抗菌効果など、フェイクグリーンの可能性はどんどん広がっています。
今回は、リアルで本物そっくりに進化し続ける、フェイクグリーンについて詳しく解説してきました。
もちろん生きた植物にも独自の魅力はありますが、ランニングコストや初期費用を抑え、用途別にさまざまなシチュエーションで活躍できるフェイクグリーンには、大きな可能性が感じられます。従来の観葉植物の単なる代用品としてではなく、オフィスを緑化する際の第一候補として考えてもよい段階にあると言えるでしょう。
本記事が、フェイクグリーンの導入を検討している企業の方への参考となれば幸いです。
舛田 羊一
大手家具メーカーで家具の設計、国内上場企業のオフィスプランナーとして勤務。その後、2015年に現研究所を設立し、国内外のミュージアムプロデューサーやライブラリーなどの空間プロデューサー兼デザイナーとして活動中。
春うららかな書房では、空間プロデューサーとしてオフィス空間のトータルプロデュースを行っている。
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